
不動産の証券化の代表的な仕組み「J-REIT」における長所は大きく3つ。
- 流動性の向上
- 二重課税の回避
- 不動産の所有と経営の分離
J-REITの長所について

J-REITの長所としては、「流動性の向上」「二重課税の回避」「不動産の所有と経営の分離」の3つが挙げられます。
分かりやすいのは「流動性の向上」です。数十億円もする不動産の一部を数十万円で保有できるというJ-REITの仕組みです。東京証券取引所で売買が簡単に出来るので非常に便利です。
「二重課税の回避」は言葉にすると難しそうですが、J-REITの存在価値といっても過言ではないくらい強いメリットです。
通常、法人で賃貸用不動産を持っている場合には、賃料収入に基づく利益に対して法人税が掛かります。ここから投資家への配当金にも所得税等が課税されるため、「二重課税」となっているのが現状です。
J-REITであれば、分配可能額の90%以上を分配すれば法人税なしという仕組みであることから、上記の二重課税問題を回避できます。投資家目線で見ても金銭的メリットがあることから、複雑な仕組みをわざわざ使う理由といえます。
最後は「不動産の所有と経営の分離」です。いわゆる不動産のオフバランスであり、上場企業が保有している本社ビルをJ-REITに売却し、賃貸するという流れがあります。この仕組みで、上場企業としては資産が圧縮されROA、ROEの向上に繋がります。
まとめ
不動産証券化の代表的な仕組み「J-REIT」の長所をご紹介。複雑な仕組みですが、税制面での優遇があるので、三菱地所や三井不動産をはじめ不動産大手各社で広く利用されています。
米国で生まれた制度ではありますが、日本でも今以上にメジャーな存在になって欲しいと強く思います。
以上
不動産鑑定士 上銘 隆佑
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