
不動産鑑定士試験ってどんな試験?どれくらい難しい?
ありがたいことに「不動産鑑定士の試験って難しいんでしょ?」とよく質問があります。
試験は年1回、1次の短答式と2次の論文式に分かれていて、短答式の合格率はだいたい3割、論文式は1割くらいです。
実は私、短答式試験に一度落ちていまして…。
行政法規がとても難しく苦戦しました。宅建を持っていなかったので、都市計画法や建築基準法などの基礎知識が固まっておらず、周りの受験生に比べてかなり遅れを取っていたなと感じます。
逆に、宅建を持っている人は基本ができているので、行政法規を少し勉強しつつ、鑑定理論をしっかり固めれば短答式は突破しやすいと思います。
私のように宅建なし&不動産業未経験で勉強している人は、行政法規をしっかり勉強することをおすすめします。短答式の合格率は3割ですが、足切りもあるようで、行政法規の点数が低すぎると不合格になることもあります。なので、最低でも正答率7割くらいを目指して、しっかり頭に詰め込むのがいいですね。
行政法規は、不動産鑑定士になった後の実務でもとても使います。鑑定理論と同じくらい重要な知識ですね。
不動産鑑定では「最有効使用」という概念があるのですが、この考え方は都市計画法や建築基準法に適合した建物を前提にしています。
つまり、そもそも建築基準法などの重要な法律を理解していないと、最有効使用の想定ができず、適正な価格を出せなくなります。短答式の2科目(行政法規と鑑定理論)はどちらもとても大事、ということですね。
司法試験・公認会計士試験と比べるとどうなの?
試験の難しさについてですが、個人的にはあまり意識していませんでした。「難しい」と言われますが、結局やることはテキストに書いてあることだけ。
特にTAC(大手予備校)は合格者を一番多く輩出しているので、TACに入れば安心して学べますし、あとは覚えて解くだけ、というスタンスで勉強していました。
ちなみに、私は受験生仲間がいませんでした。後ほど書きますが、鑑定会社に入社したことで、そこでようやく勉強仲間ができた感じです。もし専業受験生になっていたら、千葉県の予備校に通いながら、一人でひたすら勉強していたと思います。
不動産鑑定士は「三大国家資格」と言われますが、他の司法試験や公認会計士試験と比べると、個人的には少し優しめなイメージがあります(医師は別格なので置いておきます…!)。
特に弁護士を目指す人は、司法試験のためにがっつり勉強している印象がありますよね。一方で、不動産鑑定士は本業がある人、つまりサラリーマンをしながら勉強している人も多いです。そういった意味では、合格のチャンスがまだ十分にある資格なのではないかなと思います。
仕事と勉強の両立…正直しんどかった話
私はサラリーマンをしながら不動産鑑定士を目指していた兼業受験生でした。正直に言うと、やっぱり平日に勉強時間がほとんど取れないのは大変でした。
やる気はあるのに時間がない。このどうしようもなさが、兼業受験生の一番のハードルだと思います。
じゃあ、土日に一気に勉強できるかというと、それも気分次第になりがちで…。やっぱり難しいですよね。なので、私は細切れの時間をフル活用するようにしていました。昼休みや仕事終わりに勉強できる場所を見つけて、過去問を解いたり、鑑定理論の暗記をしたり。
あとは、通勤電車が片道50分だったので、往復100分を暗記に充てていました。意外と短時間でも集中できるので、兼業の人はこういう細切れ時間を有効活用するのが大事だと思います。
それと、TACとかの合格体験記ってありますよね? あれって、専業受験生の話が多くて、「仕事しながら目指してる自分とは状況が違うんだよな…」と、ちょっともどかしい気持ちになることもありました。なので、合格体験記は「あくまで参考程度」にしておくのがおすすめです。
長文となってしまったので、続きは別の記事とさせていただきます。
以上です。お読みいただき、ありがとうございました。
不動産鑑定士 上銘 隆佑
コメント