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立ち退きの移転補償はなぜ難しい?福岡では地価上昇に伴い、立退料のご相談が増えています。

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【執筆・監修】
不動産鑑定士 上銘 隆佑
上銘不動産鑑定士事務所 代表

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不動産鑑定士 上銘 隆佑
上銘不動産鑑定士事務所 代表

こんにちは、不動産鑑定士の上銘です。

昨今の福岡市中心部においては、天神ビッグバンを掲げて、大規模な再開発や老朽化ビルの建替えの機運が高まっています。

それに伴い、テナントや住民の方々に対する「立ち退き」を巡るご相談が、当事務所にも度々寄せられるようになりました。

「ビルを建て替えるために立ち退いてもらいたいが、提示すべき金額が分からない?」

「地価がこれだけ上がっているのだから、多額の立退料が必要なのだろうか?」

青年4

このように、立退料の算定や交渉を前にして頭を悩ませるオーナーやテナントさんは、水面下では結構いらっしゃるのではと考えています。

今回は、なぜ立退料の算定は難しいのか、簡単にご紹介します。

目次

立退料の概要と算定が難しい3つの理由

立退料は「賃貸人から建物の明渡しの要求を受けた借家人に対し、立退きに伴い喪失することになる経済的利益及び移転等により必要となる費用を支払うこと」です。

簡単に言えば、「オーナー側が建物老朽化を理由にテナント退去をお願いする時に、移転費も多少出すよ」というニュアンスです。

借地借家法では、オーナー側からの解約申し入れ要件として、建物老朽化などの正当事由が挙げられており、立退料は「正当事由の補完」という位置付けです。

※参考文献:借家権の鑑定評価に係る論点整理(公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会)

1. 明確な「計算式」が存在しない。

立退料は、貸主が建物の明渡しを求める際の「正当事由」の不足分を補完するための金銭です。

しかし、土地の売買価格のように「坪単価×面積」といったシンプルな計算式は法律で定められていません。

双方の事情や物件の状況に応じて移転補償費を計算する必要があるため、不動産鑑定士や補償コンサルタントなどの専門的な知識が不可欠となります。

立退料の具体的な項目としては、①借家人補償、②工作物補償、③営業休止補償、④動産移転料補償、⑤移転補償雑費、が挙げられます。

※ 「公共用地の取得に伴う損失補償基準」に基づく移転補償料の算出(国土交通省用地対策連絡協議会)

2. 「引っ越し代」にとどまらない実損の積み上げ

立退料は、一般的な引越し費用の実費だけではありません。

特に店舗(テナント)の場合、営業休止に伴う利益の減少や得意先の喪失を補填する「営業補償」、移転できない内装や厨房設備などの「工作物補償」を、公共用地の補償基準等に準じて一つひとつ計算していく必要があります。

この損失額を正確に見積もることは非常に難しいです。

裁判例や書籍、補償基準を収集し、根拠が明確になるように試算していきます。

3. 「正当事由」の法的評価による最終調整

算出した実損額に対し、貸主と借主の「どちらの事情が強いか」という法的評価(正当事由)を勘案して最終的な金額が調整されます。

貸主の自己都合が強ければ立退料は高額化し、建物の倒壊の危険が迫っているなど貸主の事情が強ければ低額に抑えられる傾向にあります。

法的業務は弁護士さんの範囲ですが、過去の裁判例などを参考に立退料を評価できる不動産鑑定会社は、多くありません。

福岡市の地価上昇がなぜ立退料に影響するのか?

福岡市を中心とした地価上昇は、固定資産税の増加に繋がります。

オーナー側としては、賃料の手残りがどんどん減っていく状況になりますので、少なくとも固定資産税上昇分はテナント賃料に転嫁したいと考えます。

また建築費の高騰や管理費修繕費の増加に伴い、さらに賃料は上昇の流れとなっています。

立ち退きについては、移転補償における「借家人補償」に影響してきます。

現行家賃と比べ、移転先の家賃との差額を補償することになるため、周辺家賃が高騰すると、借家人補償も同様に上昇します。

裁判例では、東京のオフィス立ち退きで家賃60ヶ月分以上の事例も。

オフィスの立ち退きにおいては、内装工事費の未回収分や移転リスクが加わるため、居住用に比べて金額が極めて大きくなる傾向があります。

過去の裁判例を見ると、東京地裁のオフィスの立ち退きでは家賃60倍以上の立退料が認められるケースがありました。

賃料の約5年分が立退料として支払われることになります。

こういった重大な事例をみると、不動産鑑定士としても気を引き締めて評価に当たらなければと認識させられます・・!

参考:東京地裁 平26(ワ)24782号

上銘不動産鑑定士事務所では、立退料の裁判例や書籍を収集し、体系的に評価しています。

立ち退きの交渉段階では、貸主側と借主側それぞれが立退料についての水準感がないことが一般的です。

初期段階から客観的かつ適正な算定根拠を用意することが、円満解決への最短ルートとなると考えます。

福岡エリアでの立退きに関するお悩みは、営業補償や借家人補償をはじめとする「立退料の評価」に強い上銘不動産鑑定士事務所へお気軽にご相談ください。

ご相談及び概算は無料で承っております。

上銘不動産鑑定士事務所
不動産鑑定を専門としており、立退料や適正賃料の算定などで実績がございます。お気軽にお問い合わせください。


以上です。お読みいただき、ありがとうございました。

この記事の執筆者

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不動産鑑定士 上銘 隆佑
Ryusuke Joumei

上銘不動産鑑定士事務所 代表。
大和不動産鑑定株式会社 東京本社に2014年に入社後、2019年に不動産鑑定士登録(第10401号)。国内系不動産アセットマネジメント会社への出向を経て、大和不動産鑑定株式会社九州支社へ赴任。2024年に同社を退職し、上銘不動産鑑定士事務所を開所。
適正家賃、関係者間売買、証券化対象不動産、銀行の担保不動産、公有地の売買に係る不動産鑑定評価を中心に、不動産鑑定評価に携わる。
不動産鑑定業 福岡県知事 第(1)-347号

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