

2026年10月16日の論文式試験の合格発表日に、Xのスペースを配信しました。
現役の実務修習生の方をゲストにお迎えし、受験生の方が気になりそうな部分を抜粋して、対話形式でまとめました。
(発言は読みやすいように整理しています。ゲストは実務修習中の税理士の方です。)
実務修習は「びっくりするぐらい難しい」
上銘:現在の実務修習の状況はいかがでしょうか。お忙しいでしょうか?
ゲスト:実務修習をする前は、そんなに大変じゃないのかなと軽い気持ちでした。演習問題のバージョンアップ版くらいに考えていたのですが、全然そんなものではなくて、率直に、びっくりするぐらい難しいです。
上銘:難しいのは、鑑定評価書を作成して提出するところですか。
ゲスト:そうですね。試験の演習問題は、フォーマットがあって、そこに数字を当てはめていく感じです。実際の鑑定評価書は、与えられた資料を自分で捉えないといけません。その解釈や分析に面食らいますね。
現地に行かないと分からない
上銘:私は実務修習のとき、先にエクセルで計算してから現地に行っていました。でも、ネットで見た感じと違うことが多くありませんか。
ゲスト:すごく感じます。Googleの画像で見られますが、行ってみると思っていた感覚と違いますね。街並みや地域性は、現地に行かないとつかめません。役所調査でも、公開されていない情報が、役所に行って初めて分かることもあります。
上銘:依頼を受けて鑑定をしている今でも、ありますね。道路が思ったより狭いとか。不動産は現地を見ないと、価格がつけにくいと思います。
実務修習の費用
上銘:費用は結構かかりましたよね。
ゲスト:協会に払う分も含めると、140万円いかないぐらいだと思います。ただ、機関によっては分割で払えます。
上銘:学生の方だと、なかなか出せない金額ですよね。私が実務修習を受けた会社は、会社が立て替えて、2年在籍すれば免除というイメージでした。すぐに辞めると、150万円ぐらいを自分で払って辞めなければいけない形でした。
かかる時間は「休日1日を2年間」
視聴者の質問:実務修習にかける時間は、休日の1日を費やすのを二年間やるみたいなイメージですか。
上銘:私のイメージはそれです。休日にやらないと、間に合いません。
ゲスト:鑑定会社に勤めている方は慣れがあって早いのかなと思っていました。でも、私のように日頃やっていないと、土日に詰め込む感じです。
上銘:現地を見に行って、周辺の取引事例の写真を撮りにも行きます。業務時間中は難しいので、残業か休日になります。役所の資料は平日の9〜12時、13〜16時に取りに行くので、平日もやる必要がありますね。提出前は23時、24時までやることもあると思います。
今からやっておいた方がいいこと
ゲスト:実務修習に入る前に、行政法規を見直しておいた方がいいと言われました。鑑定評価書を書くときに、行政法規の知識がとても重要だからです。建築基準法や都市計画法など、メジャーなところはさらっと見ておくといいと思います。
上銘:私は宅建を受けていなかったので、用途地域もほとんど忘れた状態で苦労しました。時間を確保できるように、体を空けておく工夫が大事です。会社で宅建が必要なら、今のうちに取っておくのもいいと思います。
修了考査と「敗者復活戦」
上銘:最近は一発勝負ではなくなりましたよね。最初に6割ぐらい受かって、残り2割ぐらいが敗者復活戦で合格するイメージです。
ゲスト:はい。敗者復活戦にも行けない人もいて、ずるずる行ってしまう人もいます。最終的な合格率は、70〜80%の間ぐらいだと思います。
上銘:ずるずる行くと、当然お金がかかりますからね。
ゲスト:嫌ですね。
不合格だった人、異業種からの転職は?
視聴者の質問:鑑定士試験に落ちた場合、不動産業界に未経験で転職しようと考えています。将来、鑑定士に生かせる仕事はありますか。
上銘:不動産鑑定業は、ほぼすべての不動産業とつながっています。なので、どこに転職しても役に立つと思います。税理士との関わりが深い状態で鑑定士になれば強いですし、売買仲介に数年いれば、収益物件の評価もできます。不動産業界以外の方は、依頼者に覚えてもらえて特徴になるので、うらやましく思っていました。
ゲスト:一緒に学んでいる仲間にも、お寿司の板前さん、有名な飲料メーカーの方、公務員の方などがいます。
上銘:鑑定業は、依頼者とのコミュニケーションが必要です。接客業や営業の要素がある職種の方が、有利な気がします。エクセルが得意なのも大事ですが、今はAIも発達しています。結局は、依頼者に好かれる、心が通じることが大事だと思います。
以上です。
音声データはこちらから聞けます。
企画に付き合ってくれたゲストさん、参加者の皆さんに感謝です。ありがとうございました。
https://x.com/fukuoka_kantei/status/2108012032465448991?s=20
以上です。お読みいただき、ありがとうございました。
この記事の執筆者

不動産鑑定士 上銘 隆佑
Ryusuke Joumei
上銘不動産鑑定士事務所 代表。
大和不動産鑑定株式会社 東京本社に2014年に入社後、2019年に不動産鑑定士登録(第10401号)。国内系不動産アセットマネジメント会社への出向を経て、大和不動産鑑定株式会社九州支社へ赴任。2024年に同社を退職し、上銘不動産鑑定士事務所を開所。
適正家賃、関係者間売買、証券化対象不動産、銀行の担保不動産、公有地の売買に係る不動産鑑定評価を中心に、不動産鑑定評価に携わる。
不動産鑑定業 福岡県知事 第(1)-347号
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